いつか、懐かしいと思うときが

いつか、懐かしいと思うときが

先日ラジオを聴いていたら、ゲストで写真家の初沢亜利さんが「東京、コロナ禍」という写真集を出版したということを知りました。
「沖縄のことを教えてください」や、「隣人、それから。38度線の北」など激変の地を追いかけて撮影するドキュメンタリーフォトグラファーの初沢氏が今回追いかけたのは、
日々、それもものすごい速さで変化していく大都市、東京。
蜷川実花さんもインタビューの中で、写真家ならばこの時期の東京は撮らずにはいられない、という旨のコメントをしていたのを思い出します。
閑散とした銀座の交差点、ネオンだけが光る歌舞伎町、片道三車線の大通りで遠くまで見通せる光景、見たことのない東京の街の様子を報道を通して見ていても、
なぜだか実際に自分の目で見たような感覚になるのは、知っている街だからこそ。見たことないのに見た覚えがあるような不思議な感覚。

写真集「東京、コロナ禍」は2020年、2月下旬から7月はじめにかけて、東京の街を歩き回って撮影した142点の写真が収められています。
写真は時系列に収録、だからこそ、じわじわと季節の移り変わりとともに変化していく東京を、いろいろな側面から見て感じることができるのでしょう。
まさに、ドキュメンタリーとして「記録」の写真集でもありますね。

歴史上ではなく、パンでミックそのものを現在で体験した私たちは、この記録的な写真集の一枚一枚の写真を見て、いつか懐かしく思うときがきっとくるのでしょう。

撮影機材・LED照明の専門店

そっと、ゆっくりページをめくりたい写真集

そっと、ゆっくりページをめくりたい写真集

フランスの出版社と日本のインディペンデントのブックレーベルの共同制作で、川内倫子さんの新しい写真集が9月中旬に発売になります。
話題をさらった初写真集「うたたね」が2001年、それから20年という月日がたち、あらためて「川内倫子然」とした世界が広がる写真集のようです。

川内倫子ファンの間では周知かもしれない、ウェブ連載「そんなふう」は、以前MILK JAPON WEBにて、現在はFasuにて連載されています。
新作写真集「as it is」は「そんなふう」で見ることができた写真もいくつか含まれている模様。
「そんなふう」でも出産を経て子育て中の川内氏のまざなしが瑞々しく、刹那に美しく、母としての慈しみ深い視線をも写真を通して魅せられる。
この新作「as it is」の中でもそこここに、川内スタイルと色彩が、やわらかい光とともに収められています。
「そんなふう」のみならず「りんこ日記」から川内氏の写真のみならず文章が好きだという方もたくさんいらっしゃるのでは。
「as it is」はテキストのページもあるというのも魅力です。
フランスの出版社からは英仏版、日本の出版社からは日本語版、日本語版のtorch pressでは現在サイン本の予約中です。

ちなみに「そんなふう」もこの秋にナナクロ社から書籍化予定とのこと。こちらも楽しみです。

撮影機材・LED照明の専門店

構想から3年

構想から3年

まず始めに、これからお話しするカメラバックは既に完売しています。
「手に入らない」ものですが、構想から約3年、写真家佐藤健寿さんと〈POTER〉とのカメラバック、この存在を知っていただきだい。

以前から佐藤さんと〈POTER〉がカメラバックを作っているという話はあちらこちらであり、昨年12月のあるインタビューの中でもすでに約3年の時間をかけているというのを読んだので、
もうそろそろではないかと待ちに待っていた人も多いのでは。
そのお待ちかねのカメラバックが発売されました。そして発売とともにすぐに完売。
どんなに欲しくても、手に入らないもどかしさはあれど、詳細を読めば読むほどまた欲しくなってしまうカメラバックとは。

〈POTER〉の技術と歴史、佐藤さんが試行として軍艦島やアフリカまで持っていき、テストしながらフィードバックし、3年かけて3回サンプルを作り直したというカメラバック。
それはどこをとっても世界中を駆け巡る写真家と世界に誇るブランド〈POTER〉のこだわりがふんだんです。
素材、耐久性、柔軟性、拡張性、重量、機能性、実用性そしてデザイン。
ストラップやバックル、ポケット細かな部分の相当なこだわりがここに実現されています。
佐藤さんいわく、カメラバックは機能性重視で柔軟性がないものか、柔軟性やデザイン重視で保護力が弱いカジュアルなものかの二極だけれど、その「ちょうどいい」カメラバックが欲しかったと。
実際にカメラバックを使う人ならばうなずく点は多くあるでしょう。実用性があってでも普段使いもできる満足いくカメラバックを探すのには本当に骨が折れます。

その佐藤さんの理想の形を実現しカメラバックは、本当に美しく、そしてかっこいい。
写真で見るだけでも使いやすそうな、そして機能的で愛着がわくカメラバックであることがわかります。
完売したけれど増産はないそう、、、なぜならばこれだけのこだわりのバックを縫う職人さんが限られているからとのこと。
知れば知るほど欲しくなるカメラバック。いやあ、欲しかったなあ!

撮影機材・LED照明の専門店

大陸走破プロジェクト

大陸走破プロジェクト

瀧本幹也さんと元お弟子さんたちの写真家によって五大陸走破のプロジェクトが2014年から7年にわたって撮影され、作品集として全国発売されました。
2014年にオーストラリア大陸を皮切りに、2015年北米、2016年南米、2017年欧州、2018年アフリカ大陸、2019年アジア大陸。
瀧本幹也さんといえば、広告はもちろん映像監督としても多くの作品に携わり、いつそんな大きなプロジェクトに割く時間があったんだろう、などと思いますが瀧本さんに師事した写真家たちとチームを組んで五大陸撮影を制覇したそうです。
これだけの大きなプロジェクト、全世界のTOYOTAグループ社員からチームを編成して始まったという「TOYOTA5大陸走破プロジェクト」なんですね。
大陸によって違いがあれど、10台から15台の走破隊を組織して撮影に当たったそうで、はじめのオーストラリア大陸では全工程20000kmを72日間かかったそうです。

さて、これだけ大きなプロジェクト、作品集のありかたも普通ではありません。
未製本、ボックスというかたち。
108点の作品が一枚一枚綴じられずにA3の大判でボックスに収められています。つまり、好きな作品をそのままフレームに入れて飾ることができるということ。
気分に応じて、季節によって108点の作品を飾ることができると想像するだけでも気分が上がります。
さて、この通常版に加えてチャリティ版があり、上記に加えて瀧本さんのオリジナルプリントが一枚がつくというもの。
オリジナルプリントは5種のなかから選ぶことができエディションは各10枚、つまりこのチャリティ版は限定50部ということです。
売り上げの一部を新型コロナウィルスと最前線で闘っている医療従事者への支援に活用されるというのがこのチャリティ版です。

発売はすでに始まっています。写真ファンのみならずコレクターにも堪らない一点でしょう。
撮影機材・LED照明の専門店

話題のMV、映像監督

話題のMV、映像監督

米津玄師さんの新曲「感電」が盛り上がっています。
米津さんといえば1億回再生越えのMVが10作品あるというアーティストで新作のたびに話題になりますが、
さて、7月6日から配信が開始になったこの「感電」、またひとつ記録を更新。
これまでの最速100万回再生突破までの記録は「Flamingo」MVの公開時の3時間17分でしたが、今回の「感電」では
1時間50分で100万回再生突破でした。
配信開始して5日目にしてすでに300万回突破しているので1億回再生越えも遠くないでしょう。

さて、そんな注目のアーティストのMVを今回映像監督として担当したのが、写真家の奥山由之さんです。
奥山さんはツイッターで「こんなにもドキドキした創作はいつぶりだろう。
真っ白なキャンバスにみんなで画を描くような、夢みたいな夜でした。」というコメントを載せています。
奥山さんといえばポカリスエットの広告のイメージや「写ルンです」で撮影する独特の質感が印象的ですが、ご自身のプロフィールに「映像監督、写真家」とあるように、
多くのMVを手がけています。

さて「感電」のMVですが、米津さんの歌詞、奥山さんの映像美の感性が合わさって観る人を惹きつけています。
奥山さんのツイートに「これまで見たことのない米津さんの表情が見れた」「こんなMV見たことない」などといった熱意のこもったコメントが続いています。
歌詞を追いながら意味深な映像を解釈するのも楽しくて、さらに再生数を上げていきます。
さて、ドラマチックで幻想的な遊園地のシーンがありますが、この撮影場所が今年8月31日を持って閉園する「としまえん」での撮影されたというもの感慨深いです。

軽快なリズム、歌詞、ダンス、映像。再生後には自分の頭の中でぐるぐるまわり、脳内の再生数をも更新していきます。
そんな癖になるMV、将来この曲を聴いたときに、2020年の夏の暑さと記憶を思い出しそうです。

撮影機材・LED照明の専門店