日本とアジアの写真作品を世界に広めることを目的としてスタートした「shashasha」。
オンラインショップで日本とアジアの写真集を中心に約1200タイトルの新刊本をはじめ、コレクターでなくとも欲しくなる希少価値の写真集まで揃っているラインナップは、見ているだけでも楽しいオンラインショップです。
2013年スタート、今年で5年目ということで5周年記念セールが開催中です。
特別価格の写真集は10パーセント割引で、嬉しいことに国内送料無料、海外送料半額というキャンペーンも同時開催です。
海外でも人気の北井一夫氏や須田一政氏などセレクションが興味深いです。世界に広めることを目的としているため、もちろんサイトは日本語と英語で見れるので、海外の友達にもおすすめできます。
記念セールだけでなく、通常のオンラインページも是非見てみてください。
現在東京都写真美術館で開催中の「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」の同名公式展覧会カタログから、畠山直哉氏、北島敬三氏、藤岡亜弥氏などなど、手にとってページを開きたい写真集が並んでいます。おすすめ写真集やサインのある写真集、過去開催された様々な写真展のカタログまであるので、コレクターにはたまりません。
写真集をプレゼントとして選ぶのもいいですよね。
『都市の写真?』
写真家・西野壮平の作品集「Diorama Map」は、世界中の都市をそれぞれに写し出した写真です。
http://global.canon/ja/newcosmos/gallery/selected-artists/sohei-nishino/index.html
写真には、「東京」、「パリ」、「ニューヨーク」など都市の名前が付けられていて、一見上空から撮影された俯瞰の風景写真のように見えます。
しかし、よく見ればそうではないことにすぐ気付きます。
西野壮平が世界中の都市を歩き回り、さまざまな視点で撮影した無数の写真を張り合わせて作ったコラージュ写真なのです。
それが上空から撮ったジオラマ写真のように、あるいは地図のように見せかけられています。
いわば各都市の現地で過ごした時間やその体験が、一枚の作品となって立ち現れているかのようです。
西野は撮影のために都市に入ったら、ローカルな場所に身を置き、ローカルな人とコミュニケーションをとり、とにかく歩き回るそうです。
「Diorama Map」では、人々に共通する認識のようなものと、西野の個人的な経験の積み重なりを一枚の「地図」にすることによって、流動的な都市の姿を描き出そうとしているとのこと。
例えば東京をイメージしたときに、グーグルマップのように正確で詳細な地図を思い浮かべる人はいないはずで、そこで自分がどういう経験をしたかによって、認識というものは違ってきます。
つまり人の数だけ都市の経験や記憶があり、それが集合体となってひとつの共同意識のような都市を形造る、と語っています。
一見ひとつの都市のようで、よく見ると繋がっていない切り貼り写真というところに、そのコンセプトが上手く表現されています。
『エレクトリカル・ドローン・パレード』
ディズニーがIntelとタッグを組んで新しいショーを準備中とのこと。
公式タイトルは「Starbright Holidays」で、いわば「エレクトリカル・ドローン・パレード」。
その名の如く登場するのはミッキーでもミニーでもなく、なんと300機のドローンなのです。
ショーの役者は、LEDを搭載したIntelの最新ドローン「Shooting Star」。
この「Shooting Star」300機を夜空に飛ばし、プログラムされた動き、光、色の変化で夜空に様々なアニメーションを描き出します。
そこに音楽を加えれば、まさにパレード。
https://www.youtube.com/watch?v=o5CQPcPF2Qc
暗闇に舞う光の粒はまるで花火のようにも見えますね。
精密な動きと光がとても幻想的です。
フロリダ州のディズニーワールドにて新たなショーとして開催される予定ですが、詳しいスケジュールはまだ未定だそうです。
ただ、5カ月に及ぶドローンの動きの調整の末、もう完成は間近のようです。
ディズニーのナイトショーと言えば、シンデレラ城のプロジェクションマッピングも大人気ですね。
新しいテクノロジーは新しいエンターテイメントには欠かせません。
でもディズニーではそれを「魔法」と呼ぶみたいです。
体と写真
原美術館にて9月9日から写真展示田原桂一氏が田中泯氏を被写体として写した『田中桂一「光合成」with
田中泯』が開催されます。
田中桂一氏といえば、今年6月に逝去した木村伊兵衛写真賞からアルル国際写真フェスティバル大賞、フランス芸術文化勲章シュヴァリエなど数々の賞を受賞し国際的活動を行ってきた写真家。
亡くなる直前までこの写真展の撮影準備をされていたということです。
この写真展では世界的に活躍するダンサー、舞踏家の田中泯氏とのコラボレーションの中から選び抜いた写真作品46点の展示で、展覧会の形では日本初公開ということです。確かに1978年から80年にかけての田中泯氏を撮影した写真は貴重かつ稀な作品を観ることができます。
田中泯さんは今では俳優としても多くの作品で知られていますが、ダンサー、舞踏家としてのかれの独特な踊りを目にされた方なら、その圧倒的な身体表現に撃ち抜かれるような驚きの体験をされたでしょう。それくらい衝撃であり、ひとつの貴重な体験を享受するといってもいいほどの表現者です。
このおふたりのコラボレーションとしての写真作品、見甲斐がある展示会となりそうです。
さらに見逃したくないのは、会期中に田中泯氏のソロダンスパフォーマンスがあるのです。
これは、まだ実際に田中氏のダンスを肉眼で見たことのない方には写真展とともにぜひともおすすめで、もちろん彼のダンスを見たことのある方にも。展示写真は1978年から80年に撮影したコラボレーションを写真集としてまとめるために2016年、36年ぶりにフォトセッションが行われ、その2016年の作品も展示されるようですが、主な1978年から80年の写真の中の田中氏と現在の田中氏はもちろん違います。その写真作品の中での田中氏と現在の田中氏のダンスパフォーマンスを同時に見れるという贅沢がここにあります。
関連イベントとしてのソロダンスパフォーマンスは3回あり、メールでの予約申し込みを受け付けています。見る側がちょっと緊張してしてしまいそうな、そんな贅沢な関連イベントです。
インスタグラムの人気料理写真
モデルでパーソナリティーも務める高山都さんのインスタグラム、料理写真の撮り方に注目です。
フォロワーが9万人を超えるインスタグラムでは日々のごはんを投稿したり、モデルとしての撮影写真や、パーソナリティーの仕事風景などの写真があります。料理教室に通いながらも色とりどりで美しい盛り付けの食卓やお弁当などはすでにプロ並みな見栄え。
初の書籍となる『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』という本を刊行しています。
インスタグラムでのお料理写真は一つ一つのお皿は真俯瞰の写真が多く、自然光で撮影され、食卓の全体の様子は斜俯瞰で撮影され、夜には白熱灯の照明で全体を撮影されている時もあります。
面白いのは、料理のみの写真だけではなくて、高山さんが実際に料理やお酒を配置しながら撮影をする様子なども見れることです。実際に使っているカメラ機種の記載もあります。
料理を真俯瞰で撮影するのって難しいんですよね。光が上からならばもちろんのこと撮影する自分で料理に影を作ってしまいますし、お皿が大きければ、全体を入れるためにカメラ位置を高くしたまま自分で距離を維持しなければいけませんし、真上から撮影する真俯瞰だから三脚を使うのはちょっと、、
だからこそ、一皿写真の真俯瞰での料理写真はほぼ斜横から射す自然光で撮られています。
料理写真を撮影する際にテーブルクロスやナプキン、カトラリー、グラス、飲み物など凝ってしまいがちですが、高山さんの真俯瞰写真では木材のテーブルにそのままお皿とお箸またはフォーク、時々飲み物も添えられて撮影したとてもシンプルなものです。ゆえに食材、色艶がダイレクトに伝わって見やすい料理写真です。
ブログで料理写真をあげている方や、SNSで料理写真を投稿されている方にとっても、写真の撮り方、構図、配置など参考になる点が多いのではないでしょうか。
とっても奥深い料理写真。いろいろな人の写真を見たり、取り方をちょっとづつ変えながら試してみたり工夫と試行が必要です。
ちなみにすでに参加受付は終了しましたが、高山さんの書籍の刊行を記念して代官山蔦屋書店にてトークイベントが9月に開催されます。
『外国人は東京で何を撮る?』
クールジャパン政策で、日本に来る外国人の数がとても増えました。
秋葉原・渋谷・原宿・浅草。外国人の観光スポットとして有名で人気の高いこの4箇所で、思い思いに撮影している外国人たちに聞いてみたという、興味深い調査があります。
「いったい何を撮影しているのですか?」
すると我々が想像するようなものとはまったく別のものを写真撮影していたというのです。
ではカウントダウン方式でまいりましょう。
4位。「コンビニで立ち読みをする日本人」。
日本人の本を読む姿がかっこよかったから、コンビニで立ち読みしている日本人を撮影したとのこと。
海外では立ち読みは珍しい行為のようです。
3位。「立体駐車場」。
スペースを有効活用している立体駐車場にびっくり。
エレベーターがついていたり、ターンテーブルで車が回ったりするのが衝撃的だったみたいです。
そう言われてみれば、狭くて密度が高い日本の都市ならではの装置なのかもしれませんね。
2位。「箸が宙に浮いたうどん屋さんのディスプレイ」。
たしかに欧米に比べて、日本の看板はユニークなのが多い気がしますね。
看板はかなり人気の写真撮影ポイントみたいです。
1位。「渋谷駅前スクランブル交差点」。
納得の1位。自撮りをしている外国人をよく見かけますね。
世界中探しても、こんなに大量の人間が交差点を歩いている所は無いようです。
・・・ということで、日本人からすれば普通だと思っていたものが、外国人からは異文化そのものということもあるんですね。
逆にこちらに新鮮な気づきを与えてくれて、面白い結果でしたね。
『極薄ライト』
優れたプロダクトを次々と産み出し、今や世界が注目するプロダクトブランド「共栄design」による「ブックマークライト」は、画期的な極薄のLEDライトです。
http://www.kyouei-ltd.co.jp/bookmark_light.html
本来の機能としては、本のしおりとして使います。
シンプルな仕組みながら、しおりとしても、読書用ライトとしても使える優れものです。
通常の本のしおり同様に極薄で、表面に発光のための回路が描かれています。
それがそのまましおりのデザインになっているところがとてもクールです。
折り畳んで「プラス」と「マイナス」をくっつけると、明るく文字を照らすことができます。
不思議ですね。
仕組みはこうです。
特殊なフィルムにプリントされているのは、通電性のある銀ナノインクによる電子回路。
リチウムコイン電池を別途用意する必要がありますが、そのコイン電池をブックマークのプラス表示とマイナス表示部分に挟むと点灯するという構造です。
東京大学発ベンチャー企業「AgIC」が開発協力したのだそうで、読書における当たり前の何気ない所作に、ちょっとした驚きをもたらせてくれる、なんとも不思議なプロダクトですね。
羨ましい展覧会
みたい展覧会があっても、距離的にどうしてもいけない場合、、、残念!!
そんな展覧会が、今回は九州であります。ネット上やツイッター上で見かけるたびに、あああ、と思いますが仕方がない。
そんな展覧会はというと、九州産業大学美術館での野村佐紀子さんの写真展です。
こちらは九州産業大学が卒業生の仕事を紹介する「卒業生 -プロの世界-」というシリーズで今回は7回目。野村佐紀子さんの「愛について あてのない旅 佇む光」という写真展です。
タイトルに「旅」という文字が入るとアラーキーを感じてしまうのは私だけでしょうか。野村さんがアラーキーの愛弟子だからそう思うのでしょうか。
そう、野村さんがアラーキーに師事したのは1991年、それから国内外で作品を発表し、この写真展では写真集に焦点を当てて「裸ノ時間」「黒闇」「夜間飛行」と代表作から、未発表の近作も展示されるそうです。いやあ、観てみたいですね。
もちろんご本人がご登場、オープニングにアーティストトーク、そしてオープニングパーティー、しかもどちらも誰でも参加できるといううらやまし催し。
本展のリーフレットに寄せられた野村さんの言葉の最後の行ににハッとさせられます。
『ずっと「愛について」写真撮影しています。』
いやあ、観たいですね!
『ウォータースライダー』
LEDなウォータースライダー!
https://www.youtube.com/watch?v=KBP7LMfhB6k
今日も暑いですね!
こんな日はプールに行きたくなります。
この「ブラックホール」と呼ばれているチューブ式のウォータースライダーがあるのは、ドイツ北部の街、ブレマーハーフェンのレジャー施設。
一見すると、どこにでもあるようなウォータースライダーですが、チューブの中にLEDが埋め込まれていて、まるでドラえもんのタイムマシンにのって異次元空間に行ってしまうかのようです。
滑り降りるまでにかかる時間は15秒ほどですが、動画を見ると意外と長く感じますね。
ウォータースライダーは、日本では1963年に千葉県船橋市で初めて設置されたそうです。
当時のものは直線型で勾配はゆるかったのですが、1970年代に大進化。
コース形状に曲線を用いたり一回転するものが現れ、以後、世界各地に700ヶ所に及ぶさまざまな形状のウォータースライダーが開発・設置されています。
高さ41メートルから滑り落ちるものや、海にそのままダイブできるもの、傾斜の角度が80度のものなど、世界には日本にはないような絶叫系ウォータースライダーがたくさんあります。LED照明もとても綺麗です。
ぜひ一度体験してみたいです。
涼しくて美しい写真
最近インスタグラム内で気になる写真を立て続けに目にしました。
それは、現在ロンドンのギャラリーで個展を開催中のフランス人写真家のカリーヌ・ラヴェル(Karine Lavel)のプールの撮影写真です。
揺らめく水面下を泳ぐ人物が、その揺らめきになぞって体の線が婉曲し、光とともに幻想的かつ絵画的な美しさをもたらす写真。
ラヴェル氏は幾つものプールを被写体としたシリーズを制作していますが、それは単にプールをテーマにしたものではなく、作家曰く「イメージの持つ曖昧な性質と潜在意識とのつながりを強調している」といったように、実際私たちが目にしているものの形と景色、それが何かのきっかけ、ものを介すことによりたやすく形を変えていく視覚の面白さを提示しているようにも見えます。
水面とその下を泳ぐゆがんだ曲線、はじめてこのシリーズの写真を目にした時は、あれ、ホックニーの絵かな?と思ったほど写真なのか絵画なのかわからないマット感も心地よく、夏に眺めていたい写真の一つです。
デヴィッド・ホックニーもゆらゆら光が反射している下で泳ぐプールの絵が多くありますよね。
見ているだけで、ふわあとそちらの世界に吸い込まれていくような浮遊感と次元を失う感覚があります。
現在はニューヨーク在住のラヴェル氏。ロンドンのギャラリーでプールシリーズを中心に写真展を、そしてアメリカ、ノースキャロライナのギャラリーでは「Heterotopia」という鏡やガラスを使った庭園の鮮やかなシリーズの写真展示が開催されています。
日本でも彼女の写真展が見れる日が来るといいのですが!